葬儀に纏わる情報をお届けししくらセレモニーの社長ブログ
エピソード5 「享年と行年」
2015.05.31エピソード
おはようございます。今日も暑くなりそうですね。
熱中症にならないように水分補給と体調管理にはお気をつけ下さい。
本日のエピソードは「享年と行年」です。(※プライバシーに配慮して、一部フィクションとなっている部分も織り交ぜています)
葬儀では位牌に書く年齢の事を「享年」とか「行年」などと一般的にいわれます。これらの言葉の違いをよくご葬家さまに昔から聞かれることですが、返答に困るときがあります。
この言葉をそれぞれに辞書で調べると同類語だと書かれていますが、実際に葬儀の仕事に携わると、この辞書通りには通用しないこともあるのです。
とあるご住職さまにお尋ねしました。
そのご住職さまから『享年とはお母さんのお腹にいた十月十日を1歳として満年齢+1歳で、行年とは「逝く年」にかけて「行く年」で亡くなられた時の満年齢だよ』と教えて頂きました。
しかし別のご住職さまに尋ねると「享年は天から享(う)けた年数のことなので数え年で、行年とはこの世で修行した年数で満年齢だよ」と教えて頂きました。数え年だと元旦から誕生日前日までが満年齢+2歳で、誕生日以降から年末までが満年齢+1歳と計算するので、上記の二つの享年では1歳の違いがあります。
また『少しでも長く生きた証(あかし)として数え年で年齢を計算する』や「実生活では数え年を使う機会が少なくなったので、実際に生きた満年齢で位牌を書く」と教えていただいたこともあります。
他にもさまざまなご住職さまにお聞きしましたが、やはりそれぞれの解釈の仕方があるようで、一概に言い切れないと思いますが、どれも正しいのでしょう。
享年は何年(数え年)生きたのか。行年は何歳(満年齢)まで生きたのか。というのが私なりの結論ですが、確実なことは、そのご葬儀でお世話になるご住職さまにお聞きするようにしております。